1. はじめに
PowerShell の実行ポリシーは、スクリプトやコマンドの実行を制限するためのセキュリティ機能です。特にネットからダウンロードしたインストーラーやスクリプトを実行する場合、PowerShell の設定によっては実行がブロックされることがあります。本記事では、PowerShell の実行ポリシーが原因でインストールできない場合の対処法についてご紹介します。
2. PowerShell 実行ポリシーとは?
PowerShell の実行ポリシーは、スクリプトの実行を制限するためのセキュリティ機能です。通常、以下の5種類の実行ポリシーがあります
- Restricted: すべてのスクリプト実行が禁止されている最も厳格な設定(デフォルト)。
- AllSigned: 署名されたスクリプトのみ実行可。
- RemoteSigned: ローカルのスクリプトは制限なし、リモートでダウンロードしたスクリプトには署名が必要。
- Unrestricted: すべてのスクリプト実行が可能。ただし警告が表示されることがあります。
- Bypass: 制限なし、警告なしでスクリプトが実行されます。
3. 実行ポリシーを確認する方法
PowerShell の実行ポリシーは以下の手順で確認してください
- PowerShell を開く
スタートメニューから「PowerShell」を検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - 実行ポリシーの確認
以下のコマンドを入力し、現在の設定を確認します:Get-ExecutionPolicy -List
実行ポリシーがRestricted
と表示されている場合、スクリプトの実行が制限されていることになります。
4. 実行ポリシーを変更する方法
Restricted
の設定では、ネットからダウンロードしたインストーラーやスクリプトを実行できません。この場合、RemoteSigned
以上に設定を変更する必要があります。変更方法は以下の通りです。
- PowerShell を管理者権限で開く
すでに開いている場合はそのまま使用します。 - 実行ポリシーを変更する
例えば、RemoteSigned
に変更する場合、以下のコマンドを入力します:Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
-Scope CurrentUser
は、自分のアカウントだけに適用する設定です。PC 全体に適用する場合は-Scope LocalMachine
を使用しますが、その場合は管理者権限が必要です。 - 変更の確認
設定を変更したら、再度以下のコマンドを使って確認します:Get-ExecutionPolicy -List
これで、RemoteSigned
またはそれ以上の設定になっていれば、インストーラーの実行が可能となります。
5. 注意点
- 実行ポリシーを緩く設定することで、セキュリティリスクが高くなる可能性があります。特に、
Unrestricted
やBypass
は推奨されません。 RemoteSigned
は、ローカルで作成したスクリプトやファイルは実行可能で、リモートからダウンロードしたファイルは署名が必要な設定です。この設定であれば、ほとんどのインストーラーは問題なく実行できます。
6. まとめ
PowerShell の実行ポリシーが Restricted
の場合、インストーラーやスクリプトがブロックされてしまいます。設定を変更して、RemoteSigned
以上にすることで、多くのスクリプトを実行できるようになります。設定変更後は、必要に応じて元の設定に戻すこともできますので、セキュリティを意識して使用してください。